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佐渡のムジナに興味が出たのは2003年。
その頃毎年参加していた、鼓童「アースセレブレーション」の合間をぬって、
「佐渡のムジナ探訪」に出かけたのです。
佐渡島は思ったよりも大きくて、島の北側を回った時は一泊二日かかりました。
その時は「よし今だ!」と、カメラなど一切持たずに出発してしまった為に写真がない。
(このときから、カメラ付携帯電話を購入、必携することにしました。)
最初に訪れたのは、佐渡のムジナの大親分「二つ岩の団三郎」を祀る「二つ岩大明神」。
相川町にあり、赤い鳥居のトンネルを抜けたところにありました。
団三郎はまことの大物で、人間に金を貸したなどの話が残っている他、お伊勢参りなどにも出かけていたという信心深いところもあり、なかなか人間くさい狢だったようです。
そして、さらに海沿いの道路をさらに北上、寒戸崎まで行くと、団三郎狢(だんざぶろうムジナ)率いる四天王の一人、美しいお杉という女に化けて男を誑かす「関の寒戸(せきのさぶと)」
(団三郎の女房だったとも言われている。)を祀ってある「大杉神社」。
社の横にすみかとされていた大きな洞窟があり、入ってみると夕方だったこともあって、ちょっと不思議な気持ちになりました。
次の日に訪れたのが、同じく四天王の二人目「財喜坊狢(さいきぼうムジナ)」の祠。
祀られている祠は、加茂湖の近くの新穂村潟上の「湖鏡庵」というところに向かう石段の途中、左手に直角に曲がったところにあるので、見落としそう。
赤泊村徳和には東光寺というお寺があり、その中に四天王の三人目「徳和の善達狢(とくわのぜんたつムジナ)」が祀られています。
小高い丘の上に小さな祠があり、なんと!二つ岩と地下でつながっているとの噂もあります。
そして、真野の街中(新町)にあるのは、「おもやの源助狢(げんすけムジナ)」のきれいな石の祠。これで、四天王四人全員の祠をまわったことになります。
この団三郎狢と、率いる四天王狢が表紙になっているのが、山本修之介先生の書かれた、
「佐渡の狢の話~伝説と文献」です。数多くのムジナにまつわる話のほか、「佐渡名狢録」「佐渡のむじな大番附」なども載っています。
またこの本の中には、山本修巳先生が書かれた「佐渡のムジナ考-相川と修験と鉱山と-」も載っており、とても興味深い視点からのご意見が伺えます。
この本をいただきました山口康子さんのご紹介で知りあった、佐渡弁語り部の本間よしえさんと、笛・三味線の木村俊介さんと共に「ムジナ・トリオ」
を結成しまして、佐渡のムジナのユニークで奥が深いお話が広く普及されることを願って、ライブ活動を行っています。
下の写真は、前回の佐渡探訪の時にとても気持ちがよかった加茂湖のほとりにある観音堂を、
2008年に再び訪れた時に撮影したものです。 |